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 新しい農業の形
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「チャレンジ」とは 腐植前駆物質 を利用した方策の総称である

 1.土壌生成(内水)理論

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土壌生成(内水)理論
  (内水 護著 −ルビコンの河を渡らないために− 「土の心 土の文化」 漫画社刊)より抜粋

1)基本反応1  有機物(水溶状有機物ならびに含水性有機混合物)は、フェノールまたは/およびフェノール露出基のある化合物を含む微生物代謝産物を添加されることにより、急速に結合、粒子化、凝集、縮合、重合し、巨大分子化・塊状産物化する。
フェノール露出基のある化合物には、当然のことながら、フェノール露出基のある酸化酵素も含まれる。また、この基本反応1による生成物が有機性水溶液中で生成される土壌性汚泥であり、また発酵飼肥料である。

2)基本反応2  前記反応に際し、活性化された珪酸分を多量に含む物質が適量に添加されれば、腐植化のための重縮合反応を惹起する。
基本反応2は、土壌の生成反応である。また、活性化された珪酸分を多量に含む物質とは、地殻の平均組成ないしはそれに近い組成を有する物質であって、かつ、エネルギー的に不安定な状態にある珪酸塩をいう。したがって、天然物、合成物を問わず、安山岩質ないしは流紋岩質のガラス状固形物が好ましい。

3)反応生成物(基本反応1,2)はキレート構造を有し緩衝作用を示す
土壌菌群がよりフェノール系の生きざまを発現した場合、反応生成物は、よりキレート構造の発達したそれとなる。キレート構造とは、粘土鉱物からでた用語であり、模式的には馬蹄形の内側に、+、-、の電荷が存在する構造を指す。したがって、反応生成物にキレート構造が発達することにより、イオン性物質のコントロールが可能となるほか、キレートによる緩衝作用が機能することとなる。

4)微生物は、土壌微生物とその外敵とに分かれる。
土壌微生物とは、土壌の生成に関与する微生物の総体を意味する。そして、土壌微生物は、総体としての土壌菌群を包含するものである。本来の生きざまを発現した土壌微生物にとっては、土壌の生成に関与しえない微生物は、すべて外敵としての存在でしかありえない。表現をかえれば、本来の生きざまを発現した土壌微生物は、土壌の生成に関与しえない微生物とは、共存しえないこととなる。

5)微生物にとって、自己以外は全て外敵である。
ここでいう自己とは、個体としての自己、種属としての自己、群体としての自己、を意味する。したがって、土壌生成に関与する生きざま(フェノール系)を発現した土壌菌群にとっては、土壌菌群以外の微生物、例えば大腸菌、腐敗菌、病原菌は全て外敵ということになる。

6)代謝産物(分泌物)が、自己に対する成長促進作用、外敵に対する抗菌作用を有する。
共棲関係にある(微)生物を含めた自己であって、かつ土壌生成に関与する生きざま(フェノール系)を発現した土壌菌群総体としての自己から産出される代謝産物は、土壌生成に関与する微生物以外の微生物に対して、抗菌作用を示す。また同時に、該代謝産物は、自己に対する成長促進作用を発現する。

7)微生物は環境の変化に応じて、生きざまを変える生物である。
高等生物と異なり、単細胞生物である細菌類にとっては、外敵環境変化に応じて自己の生きざま(代謝機能)を変化させるより、長期的に生きのびるすべを持たない。つまり、微生物はひとつの環境条件に対して、ひとつの生きざまで対応することによってのみ、長期的な存続を保障されるのである。

8)土壌菌群を個体ならびに種属としてではなく、群体としてとらえる。
土壌微生物のうち種として同定されたものは、百分の一にも満たない。顕微鏡サイズ以下の土壌微生物をも考慮にいれると、全く未知である、といっても過言ではない。したがって、顕微鏡サイズ以下の微生物をも含めて、群体として取り扱うよりないこととなる。つまり、顕微鏡サイズ以下の微生物を解析するには、何らかのエネルギー投入が不可欠であり、微生物はその結果、該エネルギーレベルでの生きざまに移行してしまうからである。

9)好気性細菌(通性嫌気性細菌を含む)とは、分子内酸素ないしは遊離酸素の供給を受ければ、棲息可能な微生物である。
細菌類の発祥環境(約30億年前)には、遊離酸素は存在しなかった。したがって、好気性細菌にとっての本来の棲息環境とは、偏性嫌気性細菌との共棲関係の中で、分子内酸素の供給を受けられる環境である。

10)土壌菌群が外敵環境変化に応じて、フェノール系⇔非フェノール系の代謝機能を発現する。
フェノール系代謝作用とは、土壌菌群が土壌の生成に関与しうる生きざまを発現する場合のそれであり、非フェノール系代謝作用とは、土壌菌群が土壌の生成に関与しえない生きざまを発現する場合のそれである。したがって、フェノール系代謝機能を発現した土壌菌群は、雑菌類とは共棲しえない。一方、非フェノール系代謝機能を発現した土壌菌群は、雑菌類と共棲することとなる。物質面からいえば、フェノール露出基のある化合物が代謝産物中に含まれるか否かでフェノール系、非フェノール系に区分される。しかしながら、フェノール系、非フェノール系といっても、両者の関係は連続したものであり、また、純粋にフェノール系であるとか、非フェノール系であるとか、という状態では天然には存在しえない。つまり両者の関係を、より正確に表現するなら、よりフェノール系であるか、より非フェノール系であるか、ということにならざるをえない。

11)土壌菌群にとっての本来の生きざまは、フェノール系のそれである。
土壌菌群の発祥環境には、遊離酸素は存在しなかった。そのような環境条件の中で、偏性嫌気性細菌類が発祥し、該細菌類が好気性細菌類と遊離酸素の存在しない条件下でペアを組むことにより、偏性嫌気性細菌類の存続も保障されたのである。一方、生物にとっては、該生物の発祥環境が本来の棲息環境であり、その本来の棲息環境で発現する生きざまが、本来的なそれである。その意味において、また土壌菌群の定義からして、土壌菌群にとっての本来的な生きざまは、土壌生成に関与しうる生きざま、つまりフェノール系のそれ、ということにならざるを得ない。
 

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